農林漁業の魅力発信 担い手発掘に力 振興局主催の出前講座【函館】
渡島総合振興局は、林務、農務、水産の3課が連携し農林漁業分野での新たな担い手の掘り起こしに力を入れている。26日には八雲高校(菅原雅之校長)の2年生74人を対象に出前講座を同校で開き、生産現場の声を伝え、職業選択の一つとして一次産業を認知してもらった。振興局は一次産業になじみが薄い普通高校へ積極的に出向き、地域を支える農林漁業の魅力を発信する考え。
振興局と渡島地域林業担い手確保推進協議会(会長・松井盛泰知内町森林組合長)が主催し、同校での講座は今年で3年目。八雲は農業、林業、漁業がバランスよくそろい、町の基幹産業となっているため、同校が依頼した。この日は総合的な探求の時間を活用した。
道が制作した一次産業に関する動画を上映後、振興局3課が農業、林業、漁業の仕事内容をスライドを使い紹介。トークセッションでは、いずれも町内在住の小林幹至さん(耕種農家)、舟田圭佑さん(酪農家)、三上仁志さん(山越郡森林組合統括班長)、村上佑允さん(八雲町漁協青年部長)が、仕事のやりがいや楽しさをアピール。一次産業は苦労がある分、頑張ったかいがあるなど生の声を届け、生徒の共感を呼んだ。トークセッションの時間は、昨年より20分延長し60分とした。
最後に4人が1人1分ずつ生徒にメッセージを贈り、一次産業を目指す上でどう進んで行けばいいかアドバイスした。
同校は「地元の一次産業を知る貴重な機会となった。生徒からも活発に質問が出て関心も高いので、来年度以降も続けたい」と意欲。1年目の講座を受講した生徒の中から、林業のスペシャリストを養成する「道立北の森づくり専門学院」(旭川市)への入学者がいるなど、成果は徐々に現れている。
振興局林務課は、担い手育成は喫緊の課題とした上で「希望があれば、他の普通高校でも出前講座を実施し、若者向けのPRを強化したい」としている。
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