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十勝毎日新聞

地元の味「かかし」閉店 「すてきな毎日だった」【帯広】

46年の歴史に幕を下ろす「お食事と地元料理 かかし」の田中さん

 「よっちゃん揚げ」で親しまれてきた「お食事と地元料理 かかし」(帯広市西2南10)が、12月25日に閉店する。創業46年。居酒屋でありながら、親しみを込めてママと呼ばれてきた田中直美さん(68)は「コロナ禍で、客とのコミュニケーションを大事にし本当に喜んでもらえる店づくりを、という両親の教えが果たせないと思った。長年、帯広で商売させてもらったことに感謝している」と話している。

 かかしは、市内の5番館ビルでキャバレー「月世界」やスタンドバーを展開した父、故直彦さんが手掛けた店の一つで、焼き鳥屋として1975年に開店。当時22歳の田中さんも立ち上げに携わり、その後は父が経営する他店で働いて92年に戻り、母の故好子さんと切り盛りしてきた。今は娘の愛さん(42)ら18人で店を回してきた。

 アスパラを肉と大葉で巻き、フライにした「よっちゃん揚げ」と、揚げた餅に大根おろしを盛り付け、しょうゆだれを掛けた「ゆきとら」は好子さんが残した2大名物だ。

 2004年に店主になってからも、田中さんは母の「きめ細かで女性らしい接客」を受け継ぎ、お酌をし、握手やハグをすることもあった。しかし、コロナ禍で客との会話を控え、見送りの握手もできない。「コミュニケーションが取れないことが寂しく、ストレスだった」。次第に気力や体力の衰えを感じ、閉店を決めた。

 地元客に限らず、JR帯広駅に近いことから出張客にも愛され、タクシーの運転手に案内されて日ハム時代の大谷翔平選手など有名人も多く訪れた。田中さんは「大変なことがあっても、店に出ればお客さんの笑顔で忘れられて楽しかった。すてきな毎日でした」と振り返る。

 営業は午後5時~同10時半(午後10時ラストオーダー)。日曜定休。問い合わせは同店(0155・25・5911)へ。

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