「金田一京助」「知里幸恵」交流示すはがき保管【登別】
浅野さんが複製 研究に意欲
知里幸恵を愛し金成まつを尊敬する会代表で、知里幸恵銀のしずく記念館理事を務める浅野清さん(登別市若山町)は、アイヌ神謡集を著した幸恵と言語学者・金田一京助とのやり取りをつづったはがきのコピーを保管している。「金田一から幸恵に宛てた手紙などは活字になっていることが少ない」として、今後研究を重ねる意向だ。
幸恵は1917年(大正6年)に旭川区立女子職業学校に入学し20年卒業。その後は故郷登別に戻り、22年5月に上京して金田一宅を訪れている。はがきのやりとりは、幸恵が北海道にいた際に行われたとみられている。
コピーは、釧路市のアイヌ語研究家で、幸恵についても詳しい北道邦彦氏が所持していた。知人を通じて、さらに複写したものを浅野さんが数年前に譲り受けた。
20年11月の幸恵宛ての文章では、金田一から「北海道は大分お寒いことでしょうね お大事になさい」、幸恵が上京する直前の22年には「其後病気の方は如何(いかが)ですか」と身を案じる言葉を寄せていることが分かる。
自宅を整理している際に、コピーがあることを再確認した浅野さん。現在執筆中の小説が一段落してから、改めてコピーの内容を詳しく見ていくという。「実は、金田一からの手紙やはがきが活字になっていることは少ない。一部を読むと、幸恵の才能を評価したり体調を心配していることが分かる。落ち着いたらゆっくり研究を進めたいですね」と話している。
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