ハッピーありがとう セラピー犬13年 大往生【清水】
清水町御影の鈴木謙三さん(77)と洋子さん(77)夫妻が飼っていたセラピー犬「ハッピー」(雌、16歳)が、4日に天国へ旅立った。2007年12月からセラピー犬として活動を始め、20年3月に引退するまでの約13年間で延べ393回、管内の福祉施設や病院を訪れ、入所者や入院患者の癒やしとなっていた。鈴木さんは「ハッピーの一生を通じて、動物のけなげな心と一生懸命に生きる姿を教えてもらった」と感謝している。
鈴木夫妻のもとへ感謝続々と
ラブラドルレトリバーのハッピーは2005年7月に北海道盲導犬協会(札幌)で生まれ、翌年に鈴木夫妻のもとへ。盲導犬候補として育ったが、キャリアチェンジし、さまざまな人と触れ合うセラピー犬になった。ハッピーは健康に恵まれ、引退するまでほとんど休むことなく活動を続けてきた。毎日欠かさない散歩がハッピーの健康長寿につながった。
NPO法人北海道ボランティアドッグの会に所属したハッピーは、十勝支部(菊地信二支部長)の福祉施設訪問などとして月1回6カ所ほどを訪れ、人々に癒やしを届けてきた。
謙三さんは個人的な活動として6月4日の虫歯予防デーに合わせた「歯磨き教室」を、音更町内のとかち帯広YMCA幼保園・プレスクールで毎年行い、一緒に活動してきた。園児らは、犬の歯磨きの様子を興味深そうに見つめ、交流を楽しんできた。
地域の人たちからも愛され、近所の子どもたちがハッピーの周りに集まるなど「幸せな関係を築くことができた」と謙三さんは振り返る。ハッピーの訃報に関係者から、「癒やしと幸せをハッピーからもらった。ありがとう」とお礼の言葉が多く寄せられている。
活動を共にしてきた新得町の岡本昌子さんは「(北海道ボランティアドッグの会に)何度も表彰されるなどセラピー犬の模範だった」とし、謙三さんは「犬と一緒に行う福祉活動を今後も続けたい」と話している。
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