竹下牧場がグッドデザイン賞を受賞【中標津】
町俣落の農業法人竹下牧場(竹下耕介代表)のロゴデザインとスローガンが、優れたデザインや理念に贈られる2021年度のグッドデザイン賞を受賞した。2、3年前に始めたゲストハウス「ushiyado(うしやど)」とチーズ販売にこのデザインを使用しており、竹下代表は「地域が注目されるきっかけになれば」と事業展開の弾みに意欲を込めている。
グッドデザイン賞は日本デザイン振興会(東京)がデザインで暮らしや社会をよりよくすることを目指し1957年に開始。受賞を示す「Gマーク」が広く親しまれている。今回は全国から5835件の応募があり1608件が受賞、道内では5件で酪農家では唯一だった。
ロゴマークは「T」の文字をベースに牛と人が対等に寄り添うイメージ。スローガンは「牛と、新しい関係を」で、牧場と一般消費者との距離が遠い点に注目し考案した。竹下牧場は酪農業以外に、18年に町の中心部でゲストハウスを開業しこれまで約4000人が利用。宿内で牧場体験の受け付けなども行い、こちらは約150人が参加している。牧場内のファームステイではなく、旅人と町民が交流する拠点になるようあえて街中で始め、関係人口の拡大を狙っている。
翌19年にはチーズの製造と販売を始めた。「名刺代わりのチーズ」という概念から商品名を「はじめましてモッツァレラ」とユニークな文言にした。来て味わってほしいという思いから、原則町内でしか扱わない。うしやど、Aコープ中標津店あるる、町内7飲食店で販売し、20年からは町のふるさと納税の返礼品にも加わった。
審査委員からは、酪農という確立された産業に親しみやすさをもたらしているとし、「消費者に身構えさせることなく興味をひきつけることに成功している」「日常生活から遠い牛や酪農に関心をもたらす取り組み。類似する悩みを抱える農畜産業に大きなヒントになる」と評価された。
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