苫小牧市真砂町の出光興産北海道製油所（山岸孝司所長）が「２０２１年度北海道省エネルギー・新エネルギー促進大賞」の新エネルギー部門で大賞に輝いた。４月に同社が全国の製油所で初めて導入した超小型ＥＶ（電気自動車）が評価された。山岸所長は「取り組みが評価されてうれしい。構内でＥＶ導入を進めたい」と喜んでいる。

ＥＶの前で受賞を喜ぶ山岸所長

　同賞は道が２００２年度に創設。企業や団体の省エネ促進や新エネの開発・導入事例を選考し、「新エネ」と「省エネ」の２部門で、大賞を１点ずつと奨励賞を決めている。苫小牧市内の大賞受賞は、トヨタ自動車北海道（０３年度）に続き２例目。

　同製油所は今年４月、持続可能なエネルギーセキュリティーの確保、新たなモビリティー実現を目指し、構内車に超小型ＥＶ２台を導入。太陽電池よりも光吸収が優れるとされる「ＣＩＳ太陽電池」で走行し、製油所内に充電用のカーポートも整えた。二酸化炭素（ＣＯ２）排出量を削減しつつ、寒冷地のフィールド実証試験も兼ね、主に設備の点検業務で出動する。

　２０５０年のカーボンニュートラル（温室効果ガスの排出ゼロ）実現に向け、同製油所も戦略的に体制を見直す。ＥＶはその取り組みを加速させる要素の一つで、山岸所長は「今回の受賞で、方向性は間違っていなかったと実感することができた」と笑顔。ＥＶは構内を毎月１００キロほど走行しており、「小回りも利き、製油所ニーズに合っている。（構内ガソリン車の更新で）さらにＥＶを増やしたい」と話している。