ミューチャリーの母馬ゴッドビラブドミー＝６日＝

【新冠】３日に金沢競馬場で開催の統一ＧⅠ「第21回ＪＢＣクラシック」で、町内大富の芳住鉄兵牧場（芳住鉄兵社長）生産の６番人気ミューチャリー（牡５歳）が２分13秒１のタイムで優勝した。地方馬で史上初めての同レース勝利で、牧場は喜びにつつまれた。

　当日、芳住社長（45）は母親とテレビで応援、ゴール板を１着で駆け抜けたときは、手放しで喜んだという。「最後の直線から先頭にたったときは、そのままいってほしいと祈っていた」と話した。

　門別競馬場で観戦していた前社長で町議の父・革二（かくじ）さん（74）もターフビジョンに拍手を送り、レース後は、牧場に鳴海修司町長も祝福に駆けつけた。

　牧場は、１９６７年（昭和42年）に革二さんが生産牧場として設立。２０１１年（平成23年）に息子の鉄兵さんが社長に就任した。スタッフは社長と前社長、母親の３人で、現在は10頭の繁殖牝馬と子馬を管理している。通算勝利数は、中央競馬25勝、地方競馬１１５勝を挙げている。

　芳住社長は「今までのレースのなかで、最後の直線の時間がこれほど長く感じたことはなかった」と話し、今回は金沢競馬場ということもあり、コースを熟知している吉原寛人騎手に任せたのも勝因だったと振り返った。

　ミューチャリーは父パイロ、母ゴッドビラブドミーの血統。現在、１歳馬の全弟も買い手が決まり、また、繁殖馬10頭のうち７頭が受胎し来年の誕生を待っていて、今後の生産馬にも期待が高まる。