文科大臣賞のポスターを手に工藤亜美さん

【日高】夏休み中に取り組んだ「第54回受信環境クリーン図案コンクール」で、富川中（深堀美紀校長）の３年、工藤亜美（あみ）さんが全国表彰の「文部科学大臣賞」、１年の野中愛莉（あいり）さんが北海道表彰の「入選」を受賞し、５日に同体育館で表彰状が伝達された。

　受信環境クリーン中央、地方協議会では、生徒、学校関係者、一般家庭に対して、テレビやラジオなどの良好な受信環境を守るための知識の普及を目的に、毎年全国の中学生を対象にコンクールを実施している。テレビ、ラジオの良好な受信環境を表現した図案、または、ビルなどの高層建造物や、免許を受けていない無線機の使用などによって起こる受信障害を防止することをねらいとした図案がテーマ。

　富川中では「美術部」が無いため、夏休み前に絵の好きな生徒に対して美術教師が声かけをし参加した。

　受賞した工藤さんは、「とてもうれしい。美術の先生から声かけがあったので、とりあえずやってみようと思った。自分は、通信障害を体験したことがないので、原案作りに少々時間がかかった。小さい頃から近くに住んでいる祖母宅を訪ねると、よく雑誌や本を読みながらラジオから流れる曲、ニュース、天気予報などに耳を傾けて癒されている姿が浮かんだ。かけがえのない時間だと思った。祖母の大切な時間を表現してみた。たくさん色を使わないようにして制作に４日かかった」と話した。

　野中さんは、「電波障害を調べてみて、とても迷惑なことだと理解した。みんなにきれいな電波を届けたい。弾ける感じで表現した。電波を○、生き物にたとえ雄をオレンジ、雌を黄色にした。電波塔を描くのが大変だった。入選を聞いてびっくりした。すごく嬉しかった」と笑顔で語った。

　今回の受賞にあたり、コロナ禍で発表の場がなかった吹奏楽部が、受賞式前に祝福の「吹奏楽部演奏会」を開いた。「さくらんぼ」、「ルパン三世」など４曲、アンコール１曲を披露した。

　深堀校長は、「音楽、ポスターと分野は違っても、思いを伝え合うということが出来とても嬉しい」と全校生徒に語りかけた。