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函館新聞

青ノリ給食に 函館市内10校 すいとん汁【函館】

青ノリを使ったすいとんを味わう児童(函館千代田小)

 函館市内の小学校など10校の給食に5日、道産天然青ノリを使った給食が登場した。青ノリを練りこんだすいとん汁で、子どもたちは彩り豊かで栄養満点の特別メニューを堪能した。

 はこだて海の教室実行委(菅原雅仁会長)が、日本財団「海と日本プロジェクト」の一環で初めて企画。道南の海岸には、高級食材の青ノリが自生しているが、漁師は収穫しておらず、未利用となっている。実行委は、青ノリが海洋教育プログラムのテーマに適していると考え、松前町の漁師に依頼し3~6月、青ノリ10キロを採取。市教委と連携し、青ノリを使った給食メニューを考案、学習用のランチョンマットも作った。

 この日は、函館千代田小学校5年生12人が、すいとん汁のほか、厚焼き卵の和風あんかけ、赤カブの甘酢漬け、ご飯、牛乳を味わった。高橋晃汰君(11)は「香りはそんなにしなかったが、柔らかくてすごくおいしかった」と笑顔を見せた。

 給食に先立ち、実行委の阪口あき子事務局長が講義。青ノリはたこ焼き、お好み焼き、焼きそばに使うアオサより高値で流通すると説明。しかし、漁師が青ノリを収穫しない理由について「道内の海に青ノリが生えていることを知らない、漁師の中に新しいチャレンジをする人が少ない、まれに砂が混ざるので食品メーカーが敬遠する」と話した。

 千代田小のほか、本通小、万年橋小、旭岡小、上湯川小、東小、鱒川小中、石崎小、銭亀沢中、戸井幼稚園でも同じメニューが出て、約970人が味わった。

 実行委は「当初は青ノリの販売を模索したが、協力してくれる漁師がおらず難しかった。青ノリの現状を知ってもらうことで、海洋環境の変化など海の問題を考えるきっかけにしてほしい」としている。

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