市がアプリ活用で食品ロス対策、「こども議会」の提案を実現
食品ロスを減らそうと、苫小牧市は市内店舗の売れ残り商品の情報を独自のごみ分別スマートフォンアプリ「053 City」で配信する試みをスタートさせた。現在、食品ロス対策協力店として、パン店3店舗が登録。ロスが発生する見込みの週に1回、アプリ利用者に通知する仕組みだ。市ゼロごみ推進課は「少しでもごみの減量につなげたい」と市民に利用を呼び掛けるとともに、さまざまな業種の協力店を募集している。
食品の売れ残りに頭を抱える小売店と購買意欲のある市民をつなげる試みで、小中学生がまちづくりについて、市長と議論を交わす「こども議会」の提案を受けて事業化。10月に通知を開始した。
協力店は現在、ル・ブーランジェOZO(見山町)、ぱん工房むぎ麦(澄川町)、サンドイッチとパンのお店BON(ときわ町)の3店舗。商品や個数、価格、販売時間は各店が自由に設定でき、食品ロスが発生すると分かった時点で、月曜日の午前11時までに市ゼロごみ推進課に連絡する。市民には、同日の夕方にアプリの「お知らせ」に情報が届く仕組みで、これまでに計4回通知した。
3度の販売実績があるOZOは、数種類のパンの詰め合わせを提供。その日の売れ行きを見ながら、1500相当のパンセットを1000円にしたり、500円にしたりして販売しているという。
「毎回約20セットを用意しているが、アプリの通知を見て買いに来る人が想像以上に多く、1時間ほどで売り切れる」と小野洋社長(44)。「お客さんは手軽に買え、店側はロスが出ない利点がある取り組み。とても助かっている」と話す。
市は今後、パン店以外の協力店確保も目指しながら、周知日数や時間についても試行錯誤を重ねていく。市ゼロごみ推進課の西森祐介主査は「まだ手探りの状態。この取り組みで廃棄量をどのぐらい減らせるのかについても調査したい」と話した。
アプリは「App Store」や「Google Play」で「苫小牧市 ごみ分別」と検索し、ダウンロードする。
食品ロス対策の協力店の登録申請や問い合わせは同課 電話0144(55)4266。
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