鉄道遺産 車窓から間近に 町立博物館講座【浦幌】
浦幌町立博物館のふるさと探訪「列車で学ぶ地理・歴史」が10月23日、開かれた。管内外から参加した23人が白糠丘陵一帯の地理や歴史を学んだ。
「近代化遺産全国一斉公開2021(10月1日~11月30日)」の企画事業の一環で、同館の持田誠学芸員が講師を務めた。
一行はJR浦幌駅-音別駅間で、来年春に引退する予定の国鉄型キハ40系気動車に乗り、車窓から1903(明治36)年の鉄道開業時の面影を残すトンネル「乙部隧道(ずいどう)」などを観察した。音別駅到着後はバスで移動し、釧路市音別町ふれあい図書館の郷土資料展示室で歴史に触れ、尺別鉄道跡地などにも足を運んだ。
JR厚内駅-新吉野駅間では、1896(明治29)年に計画された十勝太を経由する幻の鉄道ルート沿いを走行した。99(明治32)年の「十勝川河口都市構想」で十勝太地区の新市街地区割りが定められたことや、十勝太経路が変更になった背景に「列車が通過する際のごう音でサケが捕獲できなくなる」などの鉄道忌避伝説があったことを学んだ。
JR浦幌駅では、1907(明治40)年の建設から現在も使われている危険品庫を見学し、45(昭和20)年7月15日の厚内空襲について学んだ。持田学芸員は「浦幌から音別までの鉄道沿線は鉄道開業時の面影を数多く残している。車窓から観察することでさまざまなことが学べることを知ってほしい」と話していた。
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