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函館新聞

青函連絡船を「世界の記憶」に申請 運航ダイヤは貴重 函館NPO【函館】

洞爺丸台風事故当日のダイヤについて説明する高橋事務局長

 函館のNPO法人「語りつぐ青函連絡船の会」(湯川れい子理事長)は、1949年から1988年までの青函連絡船の運航状況を記録した「運航ダイヤ」1万3280通と「輸送状況日報」1万2172通を、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の「世界の記憶」登録に向けた国内審査に申請した。洞爺丸台風事故などの未曾有の海難を乗り越え、日本の経済成長を支えた海運の歴史が刻まれた価値の高い貴重な資料を世界に認めてもらおうと意気込んでいる。

 「世界の記憶」は人類の貴重な文書、書籍、写真などの資料を保存し、広く一般に公開するため、ユネスコが「世界遺産」「無形文化遺産」と並ぶ遺産事業の一つとして1992年に創設。日本関連ではこれまでに7件が国際登録された。

 今回申請した運航ダイヤと日報は、1988年に青函連絡船が廃止されるまで就航していた摩周丸(現=函館市青函連絡船記念館摩周丸)の倉庫内に保管されていた。同会の高橋摂事務局長は「通常は廃棄される物であり、このようにまとまった形で残されているのは珍しい」と話す。運航ダイヤのデータはデジタル化され、摩周丸内で閲覧することができる。

 運航ダイヤは一枚の表にその日の運航計画が印刷され、その上に実際の運航状況や天候、気温、風速などが書き込まれている。国鉄時代は列車と連絡船が一体で運行管理されていたため、列車との接続状況も詳細に記録されている。

 中でも洞爺丸台風事故が起きた1954年9月26日のダイヤには出航時刻の度重なる変更や船が引き返したり座礁した報告などが、欄外にびっしりと書き込まれ当時の緊迫した状況が伝わってくる。

 高橋事務局長は「このような不幸な海難を乗り越えて青函連絡船が発展進化し、列車以上の安定運航を行い定時運航の確保に努めていたことが、記録から読み取れる。学術的にも重要性が高い資料として、世界の記憶への登録の価値はあるのでは」と話している。

 ユネスコの審査は2017年以降募集を凍結していたが、新制度の施行で今年から募集を再開した。今月10日の国内審査でユネスコへの2件の推薦が選ばれ、22~23年度に決定する見通し。

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