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日高報知新聞

環境測定機器設置【浦河】

 夏いちごの生産が日本一の浦河町は、データに基づいた失敗しにくい農作業の確立をめざし、向別のイチゴハウスに環境測定機器を設置して試験をスタートさせた。

 浦河町では2002年から「夏秋どりいちご」の栽培を取り入れ、12年から品種を「すずあかね」に一本化し、現在22戸の農家が104棟のハウス、3万6650平方㍍の作付面積で栽培し、昨年は106㌧の生産量で2億3146万円の生産額を上げた。

 しかし、出荷が本格化してくると、農家の作業は労働力不足から早朝から夜遅くまで続くのがほとんどで、休みが採れないのが実状。従来、手作業で行っていたハウス内外の環境測定や記録を自動で行うことで測定作業を軽減し、複数年蓄積したデータを関係機関との連携により活用する、いわゆるスマート農業の導入が課題となっていた。

 今回試験ハウスに設置したのは、二酸化炭素濃度、ハウス内温度、同湿度、外気温、日射量、給液濃度、排液濃度、カメラによる定点観測、動画撮影が出来る本機の「みどりボックスPRO」とCO2、温湿度、温度、日射量、土壌複合の各センサーと固定カメラ。

 測定したデータは自宅などでスマートフォンやパソコンでリアルタイムで確認することが可能となり、自動開閉器などの異常により、ハウス内環境が異常な数値となった場合などに指定の機器に通知が来るように設定することも可能だ。

 気温に影響される作物だけに、測定機器によるデータのデジタル化は生産量や品質の向上、省力化が期待され、町は何年かの試験で導入の可否を判断する。

 28日には町議やイチゴ生産農家に案内した一般公開されたが、町議の間からは「町の特産品として定着しており、農家の省力化につながるなら町として助成を考えてもいいのではないか」という声も聞かれていた。

試験ハウスを見学する一般公開参加者

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