母恋めし本舗の関根さん 82歳で小型船舶操縦士免許取得【室蘭】
室蘭市絵鞆町の母恋めし本舗代表の関根勝治さんが今年8月、82歳8カ月で2級小型船舶操縦士の免許を取得した。内航海運業のスターマリン(室蘭市祝津町)が運営するボートスクールで学んだ。試験機関の日本海洋レジャー安全・振興協会北海道事務所によると、2009年(平成21年)8月に83歳での合格例があるが、80代での取得は非常に珍しいという。
母恋めし本舗は、地球岬や銀屏風の沖でくんだ海水を利用して塩を生産している。同じ免許を持っている長男の一晴さん(38)が操縦する船で海水をくみに行っていた。「自分も免許を持っていた方が良いのではないか」という思いやボートスクール開校という話を聞き、取得を決めた。
2級小型船舶操縦士は、20トン未満の小型船を海岸から5カイリ(約9キロ)の沖まで航行できる。
今年4月に受験した。学科は受かったが、実技は不合格。一度は諦めかけたが、聴覚が不自由な女性が、母恋めし本舗があるエンルムマリーナのグランドピアノを弾く姿やパラリンピックを見て再び奮起。8月に合格し、9月1日に免許の交付を受けた。
「取得できたという安心感、達成感がある」と関根さん。強風でなければ毎日海に出ているという。「毎日、風向きが違うので、思うように岸に着けられない。慣れるしかないですね」と笑顔を見せる。
講師を務めたスターマリンの伊藤京香代表取締役(25)は「無事に合格できて良かった」と安堵(あんど)の表情。今回は受験した15人が全員合格した。「試験を受ける受講生よりも私の方が緊張し、人を教える大変さを実感した。全員合格したときの安心感はとても大きい」と話した。
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