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十勝毎日新聞

サケ漁獲、初の1000トン割れ 28%減【豊頃・浦幌・大樹・広尾】

 十勝総合振興局は管内3漁協(大津、大樹、広尾)における今年の秋サケ定置網漁の漁獲量をまとめた(速報値)。前年比28%減の計917トンで、過去10年で最も少なく、初めて1000トンを切った。海面状況の変化から、秋サケの回遊ルートに影響が出たと推測される。一方、需要が高まり、漁獲金額は前年比5%増の計8億9441万円だった。

 同振興局によると、今年の秋サケ定置網漁は、大樹が9月2日、大津、広尾が同3日に操業開始。その後、大津が11月3日、大樹が同9日、広尾が同16日に操業を終えた。

 漁獲量はそれぞれ、大津が515トン(前年比45%減)、大樹が127トン(同31%減)、広尾が275トン(同80%増)。道総研さけます・内水面水産試験場道東センター(根室管内中標津町)によると、暖流の黒潮による影響で、周囲より水温の高い「暖水塊(だんすいかい)」が十勝沖周辺に発生し、冷水温を好む秋サケの回遊ルートに影響を及ぼした可能性があるという。

 3漁協合計漁獲金額の1キロ当たり単価は975円(同398円増)。漁獲量が減ったことで、秋サケ需要が増加し、単価を引き上げたとみられる。総額の内訳は大津が4億8222万円(同20%減)、大樹が1億2118万円(同3%減)、広尾が2億9100万円(同138%増)だった。

 また、同振興局はシシャモの漁獲量もまとめた。今年は3漁協とも10月14日から操業開始。大津、大樹が11月14日、広尾が同15日に操業を終えた。

 今年も不漁続きとなり、漁獲量は計51トンで、秋サケ同様過去10年で最も少なかった。道総研釧路水産試験場(釧路市)によると、資源保護などの観点から、今年は漁業関係者で定めた漁獲限度量を昨年より10トン少ない60トンに設定していたため、漁獲に一定のブレーキがかかっていたことも、減少の一要因にあるとする。それぞれ大津が19トン(同12%減)、大樹が7トン(同12%減)、広尾が25トン(同6%減)。

 漁獲金額は需要が高まり、計1億7704万円(同10%増)。1キロ当たり単価は3481円(同623円増)。総額の内訳は大津が6232万円(同15%増)、大樹が2512万円(同4%増)、広尾が8959万円(同9%増)。

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