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十勝毎日新聞

親友への思い「緑色」に託し 北村さんラジコン世界3位【帯広】

 帯広市内の自営業北村直也さん(43)が、ラジコンカーの世界大会「タミヤグランプリワールドチャンピオン決定戦2024」(11月16、17日・ツインメッセ静岡)の「Stクラス」で3位入賞を果たした。ラジコンの競技歴33年で初めて世界大会の表彰台に立ち、「コースにうまく対応できた。素直にうれしい」と喜んでいる。

自慢のマシンを手に、世界大会3位入賞を喜ぶ北村さん

 北村さんは10歳から本格的にラジコン競技を始め、各地で開催される大会に出場。過去の最高成績は2021年の全日本チャンピオン決定戦の2位。22年に初めて世界大会の出場権を得たが、新型コロナの流行で海外選手が来日できず、結果的には国内選手のみの全国大会の扱いだった。

 道大会(8月・札幌)で優勝し、道代表として臨んだ世界大会。国内、アジア、全米の大会を勝ち抜いた全120人のうち20人が出場した同クラス予選を6位で通過した。「緊張はなかった。それだけ練習してきたから」と振り返る。

 3レースの着順のうち上位2レースの順位合計で争う決勝は、1レース目4位、2レース目3位、3レース目2位。どのレースも出場者の周回タイムは互角で、「前の順位の人にひたすらプレッシャーをかけた」という走りで表彰台を勝ち取った。

 普段のマシンは白を基調にリア部分だけピンクのカラーリングだが、世界大会では右サイドがピンク、左サイドが鮮やかなグリーンに。「自分の存在を示すため、ほとんどの選手がカラーリングを変えない」(北村さん)にもかかわらず、そうしたのには理由があった。

 ラジコンを通じて20年以上親交がある親友が一昨年、脳出血によって高次脳機能障害と身体まひの重い後遺症が残った。親友のマシンが鮮やかなグリーンのカラーリング。以前のように一緒にマシンを走らせることができない親友と一緒に世界大会に臨む思いをカラーリングで表現した。

 親友への思いを乗せて挑んだ世界大会の表彰台。「親友と一緒に走れた気がした。次は階級を上げて1位を狙っていきたい」と貪欲に次の目標を定めるのは、表彰台の頂点から見る景色を親友に伝えたいからだ。

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