合格証明書を手に、準１級合格を喜ぶ鈴木さん。右は本谷教諭

　【網走】桂陽高普通科２年の鈴木思音さん（17）が、実用英語技能検定（英検）の準１級に合格した。現役高校生の難関突破に学校を挙げて喜んでおり、鈴木さんも「次は１級を目指したい」と、さらに上を目指している。

　英検は日本英語検定協会が実施する、英語の資格試験。５級から１級まで７段階あり、英語力のレベルに応じて受けることができる。

　最も下の５級は中学１年生程度の英語力で合格できるとされているが、準１級の難易度は大学中級程度とされているほか、１つ下の２級と比べても格段に難易度が上がるといわれる。

　英語に興味を持ったきっかけは、好きなゲームが英語だったからという鈴木さんは、英語を担当する本谷恵美教諭から、１年生の時に「英検を受けてみないか」と促され、初めて準２級を受検。見事合格すると、その上の２級にも挑戦して合格するなど、順調に結果を出してきた。

　今回、準１級を受検するため、授業で使っている英語学習アプリに加え、自身が探してきたアプリも活用。１カ月ほど前から準備を進め、検定の直前には１日の半分近くをかけて英語の学習を重ねたという。

　準１級の科目は、一次試験がリーディング、ライティング、リスニングの３つ、二次試験がスピーキング。これまでの検定はいずれも一発合格だった鈴木さんだが、さすがに準１級は難易度が高く「一次のリスニングは、かなり点数が悪かった」と振り返る。

　さらに、二次のスピーキングは試験官と英語で一対一のやり取りをするが「うまく回答できなかった」と話し「合格する自信は全くなかった」と明かす。

　結果はインターネットで発表され、谷本教諭がプリントして廊下に掲示。それを見た鈴木さんは合格していることを知り、喜んだという。

　同校の生徒が英検準１級に合格するのは、鈴木さんが３人目、２年生では２人目になる。準１級の合格率は15％ほどで、高校生は合格者全体の約２割といわれており、鈴木さんも「いまだに信じられない」と話す。

　１回の受験料が１万円以上なので、自信がないまま簡単に挑戦はできないが「次は１級に挑戦したい」と、さらに上を目指す考えだ。

　好きだった英語のゲームの英語も分かるようになり、さらにインターネットの海外コミュニティでも、どのようなやり取りがされているかを理解できるほど、英語力が高い鈴木さんだが「自分の趣味なので」と、英語を生かした就職は考えていないそう。卒業後の進路は「工学か外国語系に進学したい」と話している。

合格証明書を手に、準１級合格を喜ぶ鈴木さん。右は本谷教諭