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函館新聞

品種開発より早く 道南農試で冬の稲刈り【北斗】

バインダーで丁寧に稲を刈り取るスタッフ

 【北斗】道総研道南農試(北斗市本町)は28日、試験栽培する水稲の収穫を大型世代促進温室で行った。7月に続き今年2回目で、黄金色に実った稲穂を丁寧に刈り取った。

 同農試は、世代を進めコメの品種開発を早めるため、2001年度から夏と冬の年2回収穫を行っている。通常の栽培での品種育成までの最短期間は10~11年とされ、世代促進技術の利用で8~9年に短縮できる。

 7月下旬に収穫した種子を8月上旬に隣の温室に乾田直播(かんでんちょくはん)し、約800平方メートルの温室内で81種類の組み合わせを栽培。職員ら9人でバインダーを使い、手際良く作業を進めた。

 収穫した種子は室内で干した後、12月下旬に中央農試(岩見沢市)と上川農試(上川管内比布町)に送り、来年4月から圃場(ほじょう)での選抜試験が始まる。

 今年は、夏の暑さで稲が徒長して倒伏が多かったが、収量は平年並みを見込む。丸田泰史研究主任(34)は「農家の高齢化が進んでおり、直播向けで生産者の省力化につながる品種や、多収で品質が安定した品種、高温登熟耐性を持つ品種を開発したい」と話す。

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