北海道ニュースリンクは北海道の参加新聞社がニュース・イベントを配信するサイトです

函館新聞

100年前の音色堪能して 遺愛、修復のグランドピアノで1日に演奏会【函館】

講堂内は「音の反響もいい」と評価し、修復を終えたグランドピアノで演奏会を開く類家さん(左)と佐藤さん

 遺愛学院(福島基輝理事長)が修復した約100年前の独ヘフナー社製グランドピアノを用いたコンサートが12月1日午後3時から、本館講堂(国重要文化財、函館市杉並町)で開かれる。声楽家の佐藤朋子さん(ソプラノ、遺愛女子中高教諭)、ピアニストの類家唯さんが出演。遺愛での公演記録がある歌手、三浦環(1884~1946年)にちなんでオペラ「蝶々夫人」のアリアなど全曲プッチーニで構成する。

 教育音楽ぐるーぷどるちぇの主催で、遺愛の創基150周年記念事業として開催。副題は「三浦環がこのピアノと共に響かせた歌声の記憶に寄せて」。ジャコモ・プッチーニ(1858~1924年)の没後100周年も重ね、「ある晴れた日に」「かわいい坊や」などやピアノソロ曲を交えて演奏する。

 ピアノは27(昭和2)年、「四十五年記念日をとこしえに各々の心に印しようとの思いが一致し(中略)美しい講堂に一入の美を添えた」(遺愛七十五周年史、60年)と開校(1882年)45周年記念として保護者の寄付で米国から購入。時代が流れ、校内で保管したまま演奏できない状態となっていたが150周年の一環で修復を決めた。

 グランドピアノとしてはサイズは小ぶりで内部には製造年と見られる「1925」の記載があった。象牙の鍵盤や真ちゅう製のペダルは一部がすり減り、弦など現代の規格とは合致しない部品もあったが、約100年前の音色を再現できるよう小川ピアノ工房(市内梁川町、小川進代表)で5~9月に修復。創建時の状態に戻った本館2階の講堂に設置した。現代によみがえった音色を類家さんは「ヨーロッパ的な響きがあり、この講堂にフィットしている。タッチの感触が違う」と評価する。

 また、日本人初の国際的オペラ歌手として知られる三浦環は22(大正11)、32(昭和7)、38(同13)年の少なくとも3回、函館でも公演の記録があり、遺愛来校も38年と推察されていた。今回の準備を進める中で学校日誌の記述などの記録を調べたところ、42(同17)年5月23日だと判明。戦時下であり、独唱会後に「防空演習ヲ行フ」との記載もあった。

 ピアノと名歌手にまつわる歴史を含めて演奏会に臨む佐藤さんは「100年前のヨーロッパの音色を伝えるすごく貴重なピアノ。戦時下にあって生の音楽を聴かせたいと願った関係者の思いがしみこんでいる一台だと思う」と話している。

 午後2時半開場。チケットは一般2000円(当日2500円)、学生1000円。同校か河合楽器製作所函館ショップで取り扱い。問い合わせは(0138・57・3116)へ。

関連記事

苫小牧民報

あびらD51が1位 完走者が選ぶ  家族で訪れたい「道の駅」

安平町追分柏が丘の道の駅あびらD51(デゴイチ)ステーションは、北海道開発局が発表した「完走者が選ぶ北海道『道の駅』ランキング2023」で、「家族で訪れたい『道の駅』(子どもや高齢者に優しい「道の...

苫小牧民報

苫総経高2、3年 来月、イオン苫店でパン、コロッケ発売

苫小牧総合経済高校流通経済科の2、3年生は5日、今年の新商品開発の授業を総括した。来年1月24日からイオン苫小牧店(柳町)などで自分たちが考案したパン、コロッケをそれぞれ1万個ずつ売り出す計画で生...

十勝毎日新聞

帯広発「パラコレ」万博で開催決定 障害者ファッションショー【大阪】

 帯広発の障害者のファッションショー「パラコレクション(パラコレ)」が、2025年の大阪・関西万博で行われることが決まった。コンセプトは「着物で世界を包み込め!」。日本理美容福祉協会帯広センター代...

十勝毎日新聞

芽室食材で独自メニュー 北の屋台で14日までフェア【帯広】

 帯広市中心部の「北の屋台」で5日、「芽室町フェア」が始まった。市町村別フェアの第2弾で、屋台全20店で14日まで、芽室町の特産品を使用したオリジナルメニューを提供する。  北の起業広場協同...

十勝毎日新聞

オリックス入団・片山楽生投手、決意の凱旋 母校の白樺高に【芽室】

 プロ野球のオリックス・バファローズからドラフト6位指名されたNTT東日本の片山楽生(らいく)投手(22)が6日、母校の白樺学園高校を訪問した。午前9時から同校で開かれた「指名を祝う報告会」に臨み...

CATEGORY記事カテゴリー

MEDIA参加新聞社

ARCHIVE月別記事リスト

RANKINGアクセスランキング

  • 週間アクセス
  • 月間アクセス