窓口利用を体験した職員が手続き完了までにかかった時間や感想を発表した報告会

　市役所本庁舎の整備に伴い「書かないワンストップ窓口」の導入を検討している室蘭市は２８日、窓口利用体験調査報告会を市役所で開いた。市職員約６０人が参加し、現状の課題を整理し、業務改善に向けてのヒントを探った。

　市は８月に窓口業務ＤＸ化の先進市・北見市を視察。９月に窓口業務改善ワーキンググループを立ち上げ、市職員が自ら転入手続きなどを体験する調査を実施。むろらん広域センタービルや蘭東支所での転入手続き、おくやみコーナーでの手続きを行い、市民目線の率直な感想を発表した。

　発表では「ポスターは掲示されているが、『コンビニ交付の方が安い』と声かけがなかった」「氏名や住所など何度も同じ情報を書かされて疲れる」「待っている時間に次の書類を書くなど時間をうまく使う工夫ができるのでは」「一カ所で手続きが完結できないことが重荷だった」など課題を挙げた。

　アドバイザーを務めた北見市の及川慎太郎さんは「説明が伝わっていないなどコミュニケーションギャップが多い。それぞれの部署で集まり課題を一つずつ見つめ直すことで解決につながる」と助言した。

　及川さんと、同じく窓口業務のデジタル化を進める富山県高岡市の布橋みちるさんによる講演ではそれぞれ事例を紹介。北見市では転入手続きが１５分、おくやみ関連は３０分程度で完了すると説明し「簡単な手続きはワンストップ化できる。市民と職員の手間や負担を減らすことが重要」と述べた。

　その後、戸籍住民課や保険年金課がある広域センタービルに移動し窓口現地検証、ワークショップが行われた。