釧路で本場のエゾシカ料理を味わうとともに、シカによる被害や利活用について学んでもらおうと、ＡＮＡあきんど釧路支店（釧路市北大通１１、雨宮裕幸支店長）は１５～１７日にかけて、初のモニターツアーを釧路市内で実施した。

　同社では３年前からシカの有効利用に取り組み、東京で釧路のシカ肉をＰＲするなどしてきた。市も空港の利用促進の観点で協力している。

　参加したのは首都圏などの１０人。酪農家から牧草の食害について聞き、皮を活用するための皮なめし前処理作業も体験した。また、エゾシカ伝道師として活動する釧路短大専任講師の高橋未佳さんが講演し、増えすぎたシカによる食害や交通事故などについて説明した上で、鉄分が豊富なことや皮はバッグなどさまざまなものに使われることを紹介。「命を無駄にすることなく、有効に活用してほしい」と呼び掛けた。

　初日のディナーには、テレビ番組「料理の鉄人」に出演した坂井宏行シェフの店「ラ・ロシェル」の川島孝総料理長と釧路センチュリーキャッスルホテルの岩山純司シェフがコラボレーションしたパテやパイ包み焼きなど、シカ肉を使ったフランス料理が提供された。

　シカを見るのが好きで参加した東京の女性会社員（６５）は「自然への被害の防止とどう両立するか考えさせられた」と話していた。

エゾシカ料理を提供した岩山シェフと川島シェフ、高橋さん（左から）