教室を飛び出し地域住民への取材から作成した観光マップを発表する生徒

　函館湯川中学校（田上直広校長）は１７日、１年生が校外学習で作成した函館を訪れた人に湯川地区の魅力を紹介する「湯川まちあるきマップ（湯中版）」の発表会を同校で開いた。地域の観光関係者や保護者を招き、生徒１００人の中から各学級代表の６組が、中学生独自の目線でプレゼンテーションを行った。

　同校が取り組む地元の歴史や文化、自然、観光資源に関する探究型協働学習「湯川学」の一環。学年ごとにコンセプトを決め、今年で５年目。研修を通じて郷土への理解を幅広く持ってもらうほか、課題解決のための学び、集団行動のルールを身に着けるのが狙い。

　生徒は９月、３日間にわたってグループごとに自由に行き先を決め、湯倉神社や市熱帯植物園、湯川黒松林、飲食店を歩いて散策。関係者から施設の歴史のほか、特徴、人気メニューを取材した。発表の中では「一つ一つの場所にたくさんの歴史があり驚いた」「あまり行ったことのない場所に行って、とても楽しかった」など振り返った。

　生徒の発表を評価した丸山園茶舗の井ヶ田嗣治さん（５６）は「修学旅行に行ったとき、観光マップに載っていないところは、なんだろうかという視点で考えられるかもしれない。大きな世界的な視点で物事を考えて」とエールを送った。