アットゥシの紐４本を使い、編み方を丁寧に指導する柴田さん（右）

【平取】びらとり観光協会主催のすずらんツーリズム事業「すずらんアットゥシブレスレット組み立て体験（モニター）」が22、23日の２日間、二風谷の町アイヌ工芸伝承館ウレシパで行われ、札幌市から訪れた３人がオリジナルのブレスレットづくりを楽しんだ。

　同事業は、国内最大級の群生地がある町内のスズランを一年を通じて楽しんでもらおうと、北海道観光振興機構の支援を受け、今年度で３年目の試験を終え、来年度より本格ツアーの実施を目指す考えだ。

　ブレスレットづくりは、スズランに高付加価値をつけるべく、二風谷の若手アットゥシ工芸家の柴田幸宏さんと小樽のガラス工房「Ｇｌａｓｓ　Ｓｔｕｄｉｏ　ＳＨＩＭＡ・ＳＨＩＭＡ」さんがコラボして開発した新たな体験。

　体験では、アットゥシ工芸家の柴田さんが作ったアットゥシ（オヒョウの樹皮の繊維）の紐を４本使い、編み方を柴田さんが丁寧に指導。すずらんをモチーフとしたガラスビーズをはめ込み、更に編み込んでブレスレットを完成させた。

　参加した吉村まどかさんは「編み方は少々難しかったが、自分で編むことでより愛着がわいた。手づくりガラスでもありオリジナルを作れて嬉しい。とても楽しい体験になった」と話した。

　同観光協会の斉藤忍さんは「来年度からは着地型観光として自走化していくことになる。魅力ある販売品を作り、平取地域に足を運ぶ人が増えたら嬉しい」と話し、約15㌶に及ぶスズラン群生地などがある芽生地区に加え、鉄道記念館がある振内地区など町中心部から離れた地域への誘客も視野に入れている。