函館への移住者、23年度は18組30人【函館】
函館市議会第3回定例会は5日、予算決算特別委員会の総務分科会で質疑を行った。市は、23年度の市内への移住者が18世帯30人だったと明らかにした。前年度より5人多い。今年度は、新たに市内への本格的な移住を決断する前に仮住まいを体験する「お試し移住事業」を、今月下旬~来年2月末に行う方針も示した。
福島恭二氏(民主・市民ネット)、工藤篤氏(無所属)の質問に、市企画部の村上貴洋移住・人口減担当課長が答えた。福島氏は「移住しても働くところがないという課題があり、思うように移住者が増えない。しかし、人口減対策として移住者を呼び込むのは不可欠だ」と指摘した。
市によると、移住支援金の交付が13世帯25人、市地域交流まちづくりセンター内に設置している市移住サポートセンターへの相談者は2世帯2人、NPО法人ふるさと回帰支援センター(東京)への相談者は3世帯3人の計18世帯30人を確認した。
23年度は、ふるさと回帰支援センターへのブース設置、東京での国内最大級の移住相談イベント「ふるさと回帰フェア」への出展、移住検討者向けのオンラインセミナーの開催、移住促進パンフレットの作成に取り組んだ。成果として、ふるさと回帰支援センターに寄せられた市に関する問い合わせや相談の件数は延べ340件(面談、電話、メール)、ブースの見学者数は延べ2146件、ふるさと回帰フェアに設置した市のブースで19組の相談を受け、オンラインセミナーには22人の参加があり、村上課長は「市の魅力や暮らしやすさをPRできた」とした。
また、市教委は今年度、今年2月に崩落した特別史跡五稜郭跡の石垣について、修理に向けた現況調査や実施設計を行う考えを明らかにした。市戸ゆたか氏(共産党)の質問に、市教委の木村元子文化財課長が答えた。
崩落の原因に関し、木村課長は「暖気で融雪が進み、降雨も重なったため、堀の石垣の内側から外側に向けた圧力を受け、石垣の変形が進んだ」と説明。本格的な修理工事は来年度を予定している。
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