電気工事技能競技北海道大会に出場する奥村さん

　太平電気（室蘭市御前水町）の奥村錬さん（３４）が、第４回電気工事技能競技北海道大会（９月、札幌）に、室蘭地方電気工事業協同組合（松見哲也理事長）の代表として出場する。制限時間内に配管や配電線工事のなどを行い、出来栄えや作業工程の安全性などを審査。奥村さんは「普段の工事現場の作業内容とは異なるが、全力で頑張りたい」と意気込む。

　安全作業の推進や技術伝承、現場作業員の手本となる人材育成を目指して、北海道電気工事業工業組合が主催している。奥村さんが出場する一般の部には道内各地から１０人が参加。金賞２人が全国大会（１１月、横浜）に進む。

　競技方法はユニーク。屋内配線を想定して、金属配管や合成樹脂管、弱電設備工事などを行う。１・８メートル四方のベニヤ板に、ブレーカーやランプ、配電盤などを打ち付けていく。

　審査員が付きっきりで作業工程を確認する。他の出場者も並んでいることから、緊張感は格段に高くなるという。制限時間は審査員のチェック込みで３時間。階段の下り方といった安全確認の手順も審査対象だ。

　奥村さんは自ら立候補して出場を決めた。８月下旬から、大会への練習を本格的に始めた。「人前で何かを取り組むのは得意ではないけれど、入社１２年を迎えて、自分自身が成長できるようチャレンジしたい」。市内外の工事現場で経験は重ねているが「与えられた課題をこなすことはなかなかない。全力で頑張りたい」と力を込める。

　太平電気代表取締役社長でもある松見理事長は「作業スペースも限られており、使用する工具をどこに配置するかもポイント。出場者によって作業工程は異なり、審査員が近くにいる緊張感はあるが、頑張ってもらいたい」と期待する。