自然災害伝承碑 3基登録 国土地理院 地図上に追加【帯広・豊頃】
国土交通省国土地理院は災害の教訓を伝える自然災害伝承碑の地図記号に、帯広市の1基と豊頃町の2基の計3基を新たに登録した。両市町は地域住民らの防災意識の向上に期待を寄せている。
甚大な被害、後世へ伝える
自然災害伝承碑は過去に発生した自然災害の様相や被害の状況などを記載した石碑やモニュメント。国土地理院では伝承碑の位置を地図上に表示して防災意識を高めようと、2019年に地図記号化した。
ただ、地図上に公開しているのはまだ少なく、十勝管内では浦幌町の2基のみだった。帯広開発建設部の働き掛けで帯広市と豊頃町が申請し、6月に新たに3基が公開された。7月25日時点での公開数は全国625市区町村2149基。
帯広は上帯広橋付近の「帯広川中流改修記念碑」。帯広川中流改修期成会が1977年に建立した。碑文によると、同河川は蛇行が激しく農地の流失や家屋浸水などの被害が発生し、62、63年の台風による洪水では農作物の収穫が皆無に等しい無残な状況となった。期成会を設立し、署名を集めて道に改修を求めた結果、67年に事業が認められ、17億円以上の費用を投入して完成したとされている。
市危機対策課は「登録して後世に残していくことで、市民の防災意識が高まれば」としている。
豊頃は町内を流れる十勝川に架かる茂岩橋のたもとの右岸にある「堤防之碑」、左岸にある「十勝川統内新水路記念碑」がそろって登録された。「堤防之碑」は77年、「十勝川統内新水路記念碑」は88年に新水路の通水50周年を記念して建立された。
かつての十勝川は曲がりくねり、堤防もあまり整備されていなかったため、町内ではたびたび水害が発生していた。中でも1898(明治31)年9月の大雨と1922(大正11)年8月の洪水は特に大きな被害をもたらした。これらをきっかけに新水路や堤防の工事が行われ、二つの伝承碑はともに過去の甚大な被害を後世に伝えている。統内新水路は昨年度、土木学会の選奨土木遺産に認定された。
町総務課は「川の最下流に位置する町で、水害は身近にある。(登録で)住民の防災意識が高まれば」としている。
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