「室蘭の昔」リアルに 画像生成AI使い白黒写真カラー化、港北在住の石田さん【室蘭】
室蘭市内の70代男性が人工知能(AI)の技術を駆使し、60年以上前の白黒写真をカラー化した。工場群や祭りの様子など色鮮やかに再現された写真は、当時の室蘭の隆盛さをリアルに思い起こさせる出来栄えとなっている。
男性は港北町在住の石田利博さん(73)。エア・ウォーター輪西工場に長年勤務していた石田さんは、危険物安全協会の業務にも従事し、現役時代、創立50周年記念誌の編集にも携わった。その際使用した戦後から高度成長期にかけての写真データを数多く保存している一方、昔撮った地域行事などの写真を今も大切に残している。
石田さんはこうした白黒写真をカラーにして友人、知人に贈ろうと考え、画像生成AIの活用に挑戦。さまざまなアプリを試し、モノクロの世界をカラーに再現した。
専用アプリに読み込ませると、AIは学習したデータを基に自動で着色するため不自然な彩色になることも。このため、石田さんは一枚一枚手作業で色付け。道南バスのツートンの車体や室蘭駅舎の屋根の色など、資料を参考にして当時の色合いに仕上げた。
このほか、カラー化された写真は日本製鋼所の工場全景や陣屋町の日本石油のタンク群、むろらん港まつりの前身となる復興まつり、港北町の富士鉄(現日本製鉄)社宅での夏祭りなど、いずれも団塊世代には懐かしいものばかり。セピア色の写真は無機質だが、彩色されると当時の室蘭の発展ぶりが鮮明に思い起こされる。
同じ町内に住む70代の女性は、贈られた幼児期の家族写真に感激いっぱいで、亡くなった両親や親族をしきりに懐かしんでいたという。石田さんは「カラー写真にすると、まちの様子や暮らしぶりがリアルに伝わってくる。昔を思い起こしてもえれば」と話し、希望者には写真データを提供するという。
問い合わせはメールアドレスwanishi009a@gmail.comへ。
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