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函館新聞

風化にあらがい、戦時史の継承訴え 平和の文化をつなぐ集会【函館】

祖父や父が建設に関わった旧有川桟橋の歴史を紹介する谷川さん

 「2024『平和の文化をつなぐ』集会」が15日、函館市亀田交流プラザで開かれた。市民有志でつくる平和の文化をつなぐ会(浅利政俊代表)が主催し、約20人が参加。戦時中に建設が進められた旧有川桟橋(函館市港町1)について学ぶ講演などを通じて、歴史の風化にあらがい、伝え続ける思いを共有した。

 日朝連帯函館市民の会会長の谷川和夫さんは「戦中における有川桟橋の位置づけとその後」と題して講話。1941(昭和16)~51(同26)年に行われた有川桟橋の工事では旧鉄道省の五稜郭詰所で働いた谷川さんの祖父、戦後は陸軍から復員した父も建設に関わり、谷川家に残る写真などを交えて解説した。

 有川桟橋は道内の産炭地から本州への石炭輸送力増強を目的に整備された鉄道連絡船に接続するための港湾施設。函館はもとより、道内外からの勤労動員の学生が作業に従事した。現在の北大水産学部裏手に強制連行による朝鮮人らの飯場が置かれたといい、谷川さんは「もっこで土を担いで人海戦術で埋め立てた。怒鳴られながら働いたという供述が残っている」とし、過酷な労働から逃げた人や命を落とした人もあったという。

 桟橋跡では干潮時には海中に沈んだコンクリート構造物が確認でき、鉄道廃レールを組み合わせた標識灯があったり、建設の経緯から戦争遺構としての側面もある。谷川さんは「(建設工事で)亡くなった人のためにも二度と戦争が起きない、平和で安心して暮らせる国にしなくてはならない」と訴えた。

 このほか、朝鮮女性と連帯する函館の会の小山直子副会長は、松前町の専念寺で継続する旧国鉄松前線敷設工事で亡くなった朝鮮人労働者らの慰霊祭の様子、元中学校教員の阿部哲也さんは米海軍潜水艦「アルバコア」や学徒出陣をテーマとした平和教育の実践例を報告した。浅利代表(93)は終戦の日であることを踏まえ「(戦争が起きた時に)『あの時は仕方がなくて何も反対できなかった』と無責任なことはできない。我々が主権者であることを自覚することが終戦の日に一番重要なこと」と述べた。

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