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室蘭民報

聴覚障害乗り越え…夢のバス運転手へ 苫小牧・日軽北海道の大沢さん【苫小牧】

デビューへ研修に熱

運転について指導を受ける大沢さん(奥)

 貸し切りバス事業などを展開する日軽北海道(苫小牧市)で、道内で初めて聴覚障害があるバス運転手が誕生した。大沢勇一さん(58)は7月に入社。現在、独り立ちに向け研修に励んでいる。「お客さまを乗せることを楽しみたい」と意気込むと同時に、乗客の命を預かる責任の重さを感じている。

 今金町出身。ダンプ車やバスなどの大型車の運転手だった父の姿を見て育った。6年ほど前に大型2種免許を取得。雇用してくれるバス会社を探したが、うまくいかなかったという。

 運転手不足の解消に向け、室蘭運輸支局は障害がある人が運転手として勤めることについて、就業希望者や雇用を希望する企業の有無などを検証する調査を行っている。苫小牧市内での調査で、大沢さんが希望していることが分かったといい、7月22日付で同社に採用となった。

 入社後は担当する企業送迎4路線のルートを覚えるなどし、現在は回送のみを担当。今後は指導員が同乗しての実車運行を1カ月ほど行い、早ければ9月中旬から下旬に検定試験を受験。合格すれば独り立ちとなる。

 指導役の成田直樹さん(60)は「もう少し時間がかかると思っていた。入社して20日間ほど練習をともにしてきた。大沢さん自身の努力もあるが、センスも感じる」と評価する。

 停止や左折、十字路などを意味するサインを10種類ほど決めて臨んでいる。ブレーキやアクセルの細かい使い方には改善の余地があるといい、筆談も交えながらコミュニケーションを取っている。

 業界全体で運転手不足が叫ばれている中、同社も同様の状況にある。サービス事業部運輸課の松原浩二課長(56)は大沢さんについて「救世主」と歓迎する。

 通勤路線を利用する相手先の企業に説明した際「自分たちも障害がある人を雇用しているから何も問題ない」「何かお手伝いが必要なことはあるか」などの声を相手企業からもらったことが、採用の後押しになった。万一の事故や災害発生時などのフォロー体制の構築も図る。

 採用が決まったときには「すごくうれしかった」と大沢さん。将来的には大型バスの運転も担当したいと意気込む。

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