会場に展示された装備品

【えりも】航空自衛隊襟裳分屯基地（篠原裕行司令、隊員１５０人）の開庁70周年記念行事が６月29日、町スポーツ公園で行われ、町内外から約１千人が訪れ装備品や訓練展示など多彩なイベントを堪能した。

　同基地は、航空自衛隊が創設された１９５４（昭和29）年、北部訓練航空警戒隊（青森県三沢市）から11月に、先遣隊18人が当時米空軍が運用していたレーダーサイトに着任したときを開庁年として、10年ごとに記念式典を開催して隊の施設・装備を一般公開している。

　この日は、同隊の陸上競技場に、ペトリオット発射機（長沼基地）、短距離対空誘導弾（静内基地）など、陸・空自衛隊の装備品を展示し、来場者は興味深く見物。千歳基地から飛来予定のヘリコプターは、日高沿岸上空が濃霧状態のため飛来が中止された。

　篠原司令はあいさつで「記念行事は、国民を守る自衛隊・災害などから国民を助ける自衛隊・国民とともにある自衛隊がテーマである」と述べて、多くの来場者に感謝。

多くの来場者でにぎわう主会場

　主会場の各ブースでは、襟裳分屯基地がオリジナルの「空上げ（鶏肉唐揚げ）」試食会に長蛇の列ができた。映画「北の流氷」ＰＲブースのマツボックリ釣りコーナーは子どもらで大賑わい。町商工会青年部、トッカリ焼き隊、キッチンカーなども出店した。

　ゲートボール場で行われた「警備犬展示」では、鋭い聴覚・嗅覚を駆使して、隊員の指示通り行動する警備犬の賢さに見学者は驚いていた。

　記念演奏会は、陸上自衛隊第７師団第７音楽隊（千歳）と町民吹奏楽団＆えりも中吹奏楽部員のコラボ演奏会で、前半は陸自音楽隊のポップス「ケセラセラ」、「ラブスコール」映画のテーマタイトル「追憶」、ラストは「ドラゴンボールメドレー」。後半は総勢70人で「東京ブギウギ」、「マツケンサンバ」を軽快に奏でて屋外行事を終了した。

　札幌から訪れた菊谷教雄（51）さん夫妻は「自衛隊が駐屯する町の良さを感じました。中学生がプロとの一糸乱れぬコラボ演奏は素晴らしい」と感激気味に話した。

　町福祉センターでの記念祝賀会には、高見芳彦日高振興局長、荒木輝明様似町長らを来賓に迎え、大西正紀町長ら自衛隊協力会員、隊員ら総勢70人が出席。余興では、隊舎内での起床などの合図で吹鳴する「信号ラッパ吹奏」を披露。さらに、篠原司令が「第36警戒隊の歌」を独唱して隊員の心意気を誇示した。