常駐司書・加藤さん「楽しい居場所に」

加藤さん（左）が自作した空気砲を体験する髙橋胆振教育局長

　登別市西陵中学校（中島英治校長）は、子どもの読書活動について特色のある取り組みを行っている学校を文部科学省が表彰する「子どもの読書活動優秀実践校」を受賞した。３年前から学校図書館司書を配置し、「生徒目線」で読書環境の充実に努めている。

　同校は２０２１年１０月からモデル事業として図書館司書の加藤絵美子さん（３９）が学校図書館に常駐。生徒たちの居場所づくりを徹底している。図書室は書店のようなレイアウトになっており、生徒たちの目線の高さに本を配置する工夫や、どうしたら本が選びやすいかなどを生徒に意見を聞き、実践している。

　防災の日や季節に合わせた本の展示、国語や社会の授業でも図書館を使用している。昼の校内放送を使い、生徒たちが好むような学園ものなどの読み聞かせも行っている。

　また、加藤さんが考案し、本を借りた特典で楽しめる空気砲（自作）や、ガチャガチャは生徒たちに大人気。景品も用意しノートやペン、消しゴムなど目当てに本を借りにくるという。

　１３日に同校で表彰式が行われ、中島校長が髙橋宏明胆振教育局長から表彰状を受け取った。加藤さんは「すごくうれしい。貸し出し数も増えてよかった」と喜び、「反応は気になるが、楽しいと言ってくれる。これからも子どもっぽくなり過ぎず、楽しめるよう心がけていきたい」と笑顔で話した。

　中島校長は「図書館の利用数が増えたこと、生徒たちが一つの居場所として利用してくれることがうれしい。今後も授業などにも絡めて活用していく」と述べた。