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函館新聞

タウン誌「街」に携わった故伊原さんの生涯振り返る 元町で展示【函館】

展示への来場を呼び掛ける(左から)伊原靖子さん、吉川さん、北見さん

 2012年まで50年にわたって発行された函館のタウン誌「街」に携わり、22年に亡くなった伊原祐子さんの生涯を振り返る「街から街へ いはらゆうこ展」が、タウン誌の編集室で伊原さんのついの住み家となった民家を改修したギャラリーホームカミング(市元町2)で開かれている。生前残した作品や写真、思い出の品々を展示しており、主催者は「タウン誌に関わった人など多くの人に足を運んでほしい」と呼び掛ける。7月15日まで。入場無料。

 タウン誌「街」は1962年に文芸情報誌「函館百点」として創刊し、84年に「街」に改題。函館出身の作家、故木下順一さんが編集長を務め、函館の市民から寄せられたエッセーや小説、インタビュー記事などを掲載し、移り変わる街の様子を記録。発行数は2012年の終刊までで通算536号を数えた。

 伊原さんは1943年樺太生まれ。函館文学学校で木下さんの指導を受け、78年ごろから「街」のボランティアスタッフとして編集室の雑務を担い、自身もエッセーや創作など作品を発表した。

 会場では伊原さんの生涯を年表形式でまとめ、幼少期に経験した樺太からの引き揚げや戦後家族と共に身を寄せた道北での暮らし、高校卒業後の東京での生活など、自身がそれぞれの年代を回想しつづったエッセーをパネル展示。このほか、実際の執筆原稿や親交のあった人々と収まる写真、晩年取り組んだ手芸サークル「布あそび悠遊」で着物をほどいて作った小物など、ゆかりの品も並ぶ。

 隣接する建物で2015年から焼きピロシキ専門店を営む北見伸子さん(51)は、伊原さんから声を掛けられたのをきっかけに店を開業。北見さんは「伊原さんがいたからこそ今の店がある。常に自分を開いていて、決めつけがなく、好奇心旺盛な人だった」と振り返る。

 編集室として使われ、「街」終刊後には伊原さんが暮らした民家を改修したギャラリーは、昨年帯広から函館に移住した画家の吉川孝さん(52)が主宰し、4月にプレオープン。今回の展示から正式オープンとなり「この場所の歴史を踏まえ、地域の人々がつながる場になれば」と話す。

 展示に合わせ、29日午後1時からは伊原さんの作品の朗読会を開催。同展示の実行委員長で伊原さんの長女・靖子さん(55)は「暮らした家がギャラリーになって本人もきっと喜んでいるはず。若い世代など多くの人に見に来てほしい」と話している。

 時間は午前11時~午後6時で火、水曜定休。ギャラリーは隣接のまるたま小屋から入場する。問い合わせは同店(0138・76・3749)へ。

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