【根室】北方領土の元島民らが根室海峡側から先祖を供養する洋上慰霊の日程が、１７日の道議会北方領土対策特別委員会で報告された。８月２０日～９月２１日に計７回実施する。これまでと違うのは知床半島側から慰霊を行う１泊行程を追加したほか、参加人数を昨年より１０人増やして７５人とする。残る歯舞群島方面３回、国後島方面３回は従来通り。１７日、実施団体の千島歯舞諸島居住者連盟による参加者募集も始まった。

　１回の乗船者数は元島民、後継者、その配偶者、行政・報道機関を含め、昨年より１０人多い７５人とこれまでで最多となる。悪天候で出港できない場合は、昨年同様翌日を予備日とする。新型コロナウイルス対策も継続する。いずれも根室港発着で北方四島交流船「えとぴりか」（１１２４㌧）を使用する。

　日ロ中間ラインより根室海峡側を航行。歯舞群島水晶島沖の「歯舞コース」（８月２５日、９月２、１５日）、標津沖から国後島ハッチャス沖に近づく「国後島南コース」（８月２０、２９日、９月２１日）、新たに設ける「国後島北コース」（９月１０～１１日）は知床半島側から国後島を望む１泊コース。１０日午後５時に根室港を出港、翌１１日に洋上慰霊後、根室港に戻る。ただ、潮の流れが速い海域のため、安全な停泊が可能かどうか検討されているという。

　３年目の洋上慰霊については今月７日、鈴木直道知事が「８月中旬から９月中旬にかけて実施する」と明らかにしていた。２２年度は７月２３日～８月１０日にかけて１回４２人で計１０回、２３年度は８月２８日～９月３０日に１回６５人で計６回の行程だった。

　鈴木宗男参院議員からも本社根室支社に連絡があった。

今年の洋上慰霊は１泊コースが追加され、計７回を予定する（昨年８月、第１回出港時）