室工生、地元に残れ 3市建設団体、企業実習スタート【室蘭】
道内高校で初? VR使い作業体験
室蘭工業高校(鈴木康礼校長)の2年生27人を対象にした、西胆振3市の建設業団体による企業実習が14日、同校で始まった。インフラ整備を担う将来の人材確保に向けて、VR(仮想現実)などの機器も活用しながら建設業に求められる技術や知識を高校生たちに指導した。
室蘭市建設業協会と登別建設協会、伊達市建設協会が人材確保に向けて同校と締結した連携協定に基づく取り組み。企業の技術者らが出向いて授業を行うほか、事業所でのインターンシップも想定する。2026年度からの連携本格化を前に試験的に始めた。
この日は、室蘭市建協の橋詰昌明会長(富士建設代表取締役社長)が建設業全般の説明をした後、環境土木科、建築科ごとにVRを用いた臨場体験を行った。同校によると、道内高校の実習でVRを用いるのは初の試みという。
VRでは、バックホウ(油圧ショベル)やクレーンなど使用する際の安全確認を学んだ。クレーンでつった資材の落下など、実際の作業事故を想定し、安全確認の手順を誤ると最初からやり直しとなる。生徒たちは専用ゴーグルを装着し、VR内で現場での指差しや上部確認といった方法を覚えていた。
玄関前では、職員用駐車場にあるひび割れなどの修復のため測量を実施。水準測量器や三脚、箱尺を用いて正確な数値を測った。校舎の修繕箇所も見て回り、改修方法を考案した。
建築科の福澤琉雅さんは「家を建てる大工を希望しているが、さまざまな工事現場で安全確認が必要なことが改めて分かった」と話した。
橋詰会長は「学校の先生と同じ説明ではなく、給与や働き方、一人前になるまでに年数を重ねて経験を積む必要があることを強調した。業界に興味を持ち、勉強を重ねて就職に向かってもらいたい」と話した。
鈴木校長は「実習を通して地元企業への就職につながれば」と期待した。21、28日にも行う。
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