【弟子屈】弟子屈署（五十嵐敏行署長）は９日、関係機関合同のヒグマ対応総合訓練を町内で行い、クマ出没時の連携対策の強化を確かめ合った。道内でクマの出没が増えていることを受け、同町では初めて実施した。

　この日は同署と道警釧路方面本部地域課、釧路北部消防事務組合消防本部、道猟友会弟子屈支部（野下義春支部長）、町役場、釧路総合振興局から約３０人が参加。二つの対応策を想定した。

　最初の訓練は、高栄２の修武館で実施した。住宅街にクマが出没し、関係機関が出動。警察官やハンターのほか、消防本部のドローンを飛ばして上空からもクマの動向を監視し、住宅街から立ち去ったのを確認して終了した。

　一方、桜丘２のキャンプ場「ＲＥＣＡＭＰ摩周」では、市街地に出没したクマを駆除する訓練を行った。消防のドローンがクマの姿を捉えると、警察官が爆竹で茂みまでクマを誘導した。警察官職務執行法第４条に基づき、現場指揮官の渡部真大同署地域・交通課長がハンターに発砲を指示。レプリカの銃を手にしたハンターが「バーン」と叫ぶと、クマ役の町職員が倒れ込んだ。

　訓練後は、クマよけスプレーの使い方を確認した。渡部課長は「態勢が整うまでの時間が課題。部署にとらわれず対処できるようにしたい」と話していた。

クマ役の町職員を追尾する警察官とハンター