生産・育成馬“悲願の中央GⅠ制覇” 喜びに沸く三嶋牧場【浦河】
4月28日に京都競馬場で行われた第169回天皇賞・春(GⅠ)で優勝したテーオーロイヤル(牡6歳)を生産した浦河町の三嶋牧場(三嶋昌春代表)では、レース後に関係者らが訪れ勝利の喜びに沸いた。
同牧場は、戦前から馬を生産してきた老舗の牧場。現在は約70人の牧場スタッフがいて、西舎の本場と野深分場、富川分場、平取分場で、繁殖牝馬約150頭を繋養するほか、育成も行う大規模牧場。
GⅠ勝利は、2021年のダノンキングリー(安田記念)、22、23年メイショウハリオ(帝王賞)、23年ファストフォース(高松宮記念)、メイショウハリオ(かしわ記念)。
一昨年、初のGⅠ挑戦となった天皇賞・春は3着。昨年は骨折の不運に見舞われながらも、11月のアルゼンチン共和国杯(GⅡ)で復帰を果たすと、12月のステイヤーズS(同)は2着の好走。年明け2月のダイヤモンドS(GⅢ)、阪神大賞典(GⅡ)と連勝して再び大舞台へと挑んだ。レースは、好位で折り合い、直線でディープボンドに並びかけると、さらに加速して後続を引き離し先頭でゴール。
牧場でスタッフたちとレースを観戦した中村公昭野深分場長(46)は「手ごたえも良かったので、直線を抜け出すまでドキドキしながら応援していました。昨年の(骨折の)こともあり、とにかく無事に走ってほしいと祈っていました。1着が確定し、皆が拍手で喜んでいました」、藤井健太トレーニングマネジャー(38)は「(育成当時のテーオーロイヤルについて)操縦性や気性面での気の良さ、気持ちの強さなど、競走馬向きの素質を感じていた。生産・育成馬としては悲願の中央GⅠ制覇。スタッフの自信にもなります」と話した。
この日は、浦河町軽種馬生産振興会(岡本昌市会長)、浦河町(池田拓町長)、ひだか東農協(桑田美智代組合長)などの関係者と牧場スタッフらが駆け付け、テーオーロイヤルの優勝を喜び笑顔で万歳した。
池田町長は「町内産馬のGⅠ優勝は明るい話題。この後のGⅠレースでも順調に町内産馬が活躍してほしい」と期待した。
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