委嘱状を受けた川下さん（左）と滝田さん（右）

　白老町の新しい地域おこし協力隊に、川下正己さん（６６）と滝田圭さん（４６）が着任した。川下さんは陸上養殖事業の試験設備の導入や飼育データの収集、分析などを担う水産業振興担当。滝田さんは白老牛のブランド化に向けた管理体制構築や情報発信、ＰＲの展開などを担う農畜産業振興を担当する。このほど委嘱状の交付式があり、大塩英男町長から委嘱状が手渡された。任期は３年間。

　川下さんは、北海道栽培漁業振興公社で、ヒラメやニシン、マツカワの放流事業などに携わってきた。

　陸上の閉鎖空間で水を循環させて魚を育てる閉鎖循環型陸上養殖のプロジェクトに関わり、システムの構築から魚の飼育、技術の伝達などに携わる。

　「閉鎖循環の陸上養殖を基盤として漁業者の皆さんに良い意味での刺激を与え、将来の小さなまちおこし、産業化につなげられるような成果を出せるようにしたい」と意気込んだ。

　滝田さんは、２０１１年の東日本大震災を期に東京から北海道に戻り、札幌で企業再生や商品のブランディング、教育開発などを手がける会社を経営している。

　白老の特産物のマーケティングを含めた競争力の調査を進めていくといい、市場が求めている商品と生産者が売りたい物のマッチングをしていくことが任務になるという。

　「白老町の和牛や水産物の歴史、そこに携わってきた人たちの努力の中にこの先１００年のチャンスがある」と可能性を強調した。

　大塩町長は「町制施行７０周年の節目の年であり、さらなるまちの発展のためにお尽力いただければ」と述べた。