函館市は、ＪＲ函館駅前の百貨店「棒二森屋」跡地の再開発計画に関し、函館駅前東地区市街地再開発準備組合（渡辺良三理事長）が、３月に予定していた道への組合設立認可申請を見送ったことを明らかにした。複合施設の建設にあたり、ホテル計画に外資系ホテルを誘致できる可能性が出てきたためで、組合側は事業計画の再検討を行うとしている。

　組合が、１０日付で市に提出した文書の中で「国際的に知名度が高いホテルブランドを誘致できる可能性が出てきた。新たなホテル誘致やそれに伴う事業計画の再検討を行いたい」と言及。当初のホテル計画は国内ブランドの誘致を見込んでいたが、訪日外国人客（インバウンド）回復で、ビジネス客だけでなくグレードの高い客室に需要が見込めると判断したとみられる。

　再開発事業のスケジュールは、３月に組合設立認可申請を行い、６月に道から設立認可を受ける予定だった。ホテル誘致に関し精査が必要になったことから、２０２８年１０月の竣工（しゅんこう）など今後のスケジュールに影響を与える可能性もある。

　一方、市は複合施設を構成する公共施設（２・３階合わせ約２０００平方メートル）整備の検討に関する意見募集を行うため、ホームページを開設し、市民アンケートを実施。今年１０月の公共施設整備の基本的考え方の成案化に向け取り組んでいる。