今年度の運行が始まり、函館山が見える西部地区を走る箱館ハイカラ號（１３日午前１０時５５分ごろ、末広町）

　赤い外装やつり革などレトロな車内で市民や観光客から人気の函館市電「箱館ハイカラ號」の今年度運行が１３日に始まった。晴れ渡った中、歴史ある建物が並ぶ西部地区などを快走した。

　１９１０（明治４３）年に千葉県成田市で運行を開始し、１８（大正７）年に函館へ移ってきた。ササラ電車として活躍した時期もあったが、９３年に観光電車として復元された。運行開始から１１４年目を迎える今でも、函館に本格的な春の観光シーズン到来を感じさせる存在として親しまれている。

　初便は午前９時５７分に駒場車庫前を発車し、函館どつくまでを往復。十字街電停付近では独特の走行音を響かせる姿を写真や動画に収める人も見られた。

　今年度の運行は１０月１４日までの土・日曜、祝日。函館マラソン開催日の６月３０日、函館港まつり開催期間の８月３～４日は運休するほか、天候不良や緊急点検により運休する場合もある。