函館市教委は、市立小中学校、義務教育学校のトイレにある洋式便器の割合が、今年度７１・１％に達したことを明らかにした。全国平均の６８・３％を超えたが、全道平均の７１・７％は下回った。和式からの置き換えが一気に進んだ２０２１年度前の５２・０％から１９・１ポイント上昇した。

　市教委によると、２０年度以前は学校トイレの老朽化改修工事に併せ便器の洋式化を行っていたが、外壁改修などの工事を優先したため、一時洋式化はストップしていた。２１年度に国の新型コロナウイルス対策交付金を活用し、小学校１２校、義務教育学校を含む中学校１０校の計２２校２６９基の便器の洋式化が実現。２２年度は洋式化を行っていない。

　２３年度からは、２６年度までの４カ年計画で、年間２校のペースでトイレの全面改修工事に併せ洋式化も進めている。今年度は中学校２校で改修済みで、洋式化率は７１・１％となった。昨年４月に開校した新設校の南茅部中校舎は、初めからトイレは全て洋式化している。

　和式トイレの使い方が分からないなどの理由からトイレを我慢する子どももおり、健康上の配慮から洋式化が急がれる。市教委施設課は、児童生徒が使うトイレ便器は全て洋式化する方針を強調しながら「既存学校の便器数は、子どもの数が多い時代に設置している。子どもの数が減った現在は、混雑しない程度で実態に合わせた洋式化改修が必要」としている。

　また、学校での冷房整備に関し、新年度は普通教室などへのスポットクーラーなどの設置、保健室への常設型エアコンを配備する。普通教室への常設型エアコン整備工事に向けた実施設計を行い、２０２５年度から順次、整備工事を進める考えだ。

　２月２７日の市議会第１回定例会代表質問で松宮健治氏（公明党）の質問に、藤井寿夫教育長が答えた。