高校3年生 最後のガイド 仙台藩白老元陣屋資料館
胆振管内社会教育主事等研修会が2月29日、3月1日両日、白老町内で開かれ、管内の関係職員ら23人が仙台藩白老元陣屋資料館で活動している白老東高校の生徒たちの館内ガイドを視察した。郷土の歴史を堂々と紹介する高校生の姿を通じ、学校と地域が連携して進める同町独自の教育実践に理解を深めた。
研修会は、生涯学習や社会教育推進上の諸課題などを研究協議する場。胆振管内社会教育主事会が毎年度、各地持ち回りで開いている。今年度は白老町教育委員会が担当し、地域おこし協力隊員の講話や町内在住のろう者の手話講座を受けるプログラムを組んだ。
仙台藩白老元陣屋資料館で活動する高校生ガイドについては、生徒たちが同館や同館友の会の協力を受けながら郷土の歴史を学び、町内外からの来館者に伝えていることを知ってもらおうと盛り込んだ。参加者は29日、生徒たちの案内で同館の史料を見学した。
ガイドを務めたのは卒業を目前に控えた3年生の加藤雫さん(18)と千葉瑞椛さん(18)、2年生の堀部京華さん(17)。元陣屋の建設に携わった仙台藩士、三好監物の生涯を中心に、陣屋の全容と北方警備の系譜を、手にしたガイド用テキストに頼らず、それぞれ30分ほど解説した。
聞き終えた豊浦町の地域おこし協力隊員、西川美羽さん(30)は「高校生が楽しくボランティアと関わってきたことが伝わった。素晴らしいガイドだった」と感激した様子。むかわ町の社会教育主事で学芸員の田代雄介さん(44)も「地域の歴史を学んだ若者が自分の言葉で堂々と発表する態度に、ふるさとへの熱意を見た。感動した」と話していた。
高校生ガイドの育成に携わった同館友の会の川西政幸会長(80)は「生徒たちの大きな成長を感じた」、同会会員でもある同高校教諭志田健さん(57)は「大人の会員と一緒に成長してきた生徒たち。感慨深い」と感無量の表情。
加藤さんは「後悔なくやりきった」、千葉さんは「ガイド活動のおかげで笑顔で人前に立つことができるようになった」と笑みを浮かべ、堀部さんは「先輩方のガイドから、語彙(ごい)力や分かりやすい表現など多くを学んだ」と今後の活動に意欲を表した。
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