15日から始まった冬島周辺の寒ふのり漁

【様似】冬島周辺の冬の風物詩となっている〝寒ふのり〟の漁が解禁となり、この手摘み作業が15日、同地区沿岸一帯で始まった。２月としては寒さも緩む中、周辺漁民が海岸の岩場に色濃く育ったフノリを手際よく収穫した。

　フノリはミネラルなどの栄養が豊富な食材。冬島地区のフノリ漁は年明けから６月ごろまでの引き潮を目がけて行われ、この時期に採れる〝寒フノリ〟は、磯の香と触感が一段と際立つ高級品だ。中でも、アポイ岳眼下に広がる同地区沿岸の岩場に育つフノリは評判だ。

　フノリの手摘み作業は、波が穏やかで潮が引く条件の良い日に限られるため、シーズンを通して採れる日は多くない。

　この日は、曇天ではあったものの、風もなく波も穏やか。沿岸漁民らは正午の漁開始とともに岩礁や転石にびっしりと育ったフノリを手際よく摘みとった後、ごみや雑海藻などをていねいに取り除く作業に追われた。

　漁民は「今年のフノリは質も良さそうだ。味噌汁や酢の物にして食べると最高にうまい」と話した。