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日高報知新聞

アイヌ文化「体験し広めたい」 大地連携ワークショップ 全国の大学生16人参加【平取】

「カムイノミ」を体験する参加者たち

【平取】全国の大学生らがアイヌ文化や地域が抱える課題について考え、アイデアを地域と共有し地域文化振興を目指す講座「大地連携ワークショップ冬inびらとり」(町主催)が二風谷地区で12日から始まり、イオル文化交流センターでオリエンテーションが行われた。16日までの5日間の日程でアイヌ文化体験をする。最終日は発表会を行い、学生目線で町やアイヌ文化の振興について提案する。

 今回は全国から26人の応募があり、慶応大、立命館アジア太平洋大、北大、東京外国語大、日本女子大、京都大などから16人を選抜。

 ワークショップは今年度で11年目(夏・冬の年2回)の開催。2012年(平成24年)「東日本圏の大学間連携共同教育推進事業(文科省補助事業)の関係機関として町が参加し、補助事業として2年間実施。以降も町単独事業として続けてきた。19年(令和元年)5月のアイヌ施策推進法施行で、アイヌ政策交付金制度が創設。20年に「新たな大地連携ワークショップ事業」として全国から参加募集し夏と冬の年2回に拡充した。びらとり大地連携協議会を設立し、初代会長に小田隆治さん(山形大名誉教授)ほか、4人の大学教授らに委員を委嘱した。

 13日はアイヌ語学習や口承文芸見学、木彫り体験、アイヌ古式舞踊体験、グループワーク。14日はIWORアイヌ文化ガイドツアー、アイヌ文様刺繍体験、グループワーク。15日はアイヌ伝統料理体験、アットゥシ織・ブレスレット作り体験、グループワーク中間発表などを予定している。

 遠藤桂一町長は「アイヌ文化を体験してもらい、感じたことを情報発信してほしい。今年度はイギリスのジャパンハウス・ロンドンでアイヌ文化を紹介する展示会を行っている。予想以上に興味を持っていただきワークショップなどが好評を博している。今回の体験を有意義な時間にしていただきたい」とあいさつ。

 オリエンテーション後は、平取アイヌ協会青年部の門別徳司さんから二風谷コタンのチセでワークショップの成功を願い「カムイノミ」(神への祈りの儀式)の儀式の作法を教わった。

 岩隈航男(こなん)さん(東京外国語大4年)は「沖縄の方言など危機言語(危機に瀕する言語)に興味があり、アイヌ語について知りたいと思った。復興させるためにどのような取り組みがされているか知りたい」、宮井知優(ちひろ)さん(日本女子大3年)は「アイヌ文化の表面的なことは知っているが、自分自身が体験してアイヌ文化をどう広めていくか学習したい」と話した。

 発表会は、16日午前9時20分からイオル文化交流センターで行われる。オンラインでも配信され、一般の見学もできる。詳しくは町ホームページへ。

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