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苫小牧民報

112年前鉄道路線図現存 「カメラ撮影のむらかみ」で展示 白老

白老町東町の「カメラ撮影のむらかみ」で9日から、1912(大正元)年発行の鉄道路線図を展示している。社長の村上和義さん(82)が5日に同地区の知人から譲り受けた。次男で白老商業振興会理事長の英明さん(52)も「現在の駅名とは違う呼び名も見られ、珍しい」と語る。

額装された大正元年製の鉄道路線図を眺める英明さん

 路線図は、旧帝国時代の領土だった樺太(現サハリン)や台湾、満州、韓国までを網羅した内容で横に長く、大きさは縦18センチ×横130センチ。蛇腹状に折り畳まれているものを広げて額装している。奥付によると初版は120年前の1904(明治37)年11月とあり、改訂を重ねて「修正第39版」と書かれている。発行元は、大阪市の和楽路屋(わらじや)とある。

 胆振周辺に目を落とすと、苫小牧は「苫古まい」の表記。室蘭方面の隣駅は「尓したぷ(錦多峰=現JR錦岡駅)」、白老の次は「知床」とある。アイヌ語のシルエトク(地の突き出たところ)が由来で、現在の萩の里自然公園辺りの地形を表す。駅名は39(昭和14)年に地域の字名が「萩野」とされたことに伴い、42年に国鉄「萩野駅」と改称した。

 英明さんは「知床というと道東の知床半島が有名だけど、白老にも『知床』があったんだよね」と感慨深げ。和義さんも「あの辺りはまだハマナスが自生しているね」と言い、知床旅情を口ずさんだ。

 「しきふ(敷生)」は現在のJR竹浦駅の旧名。オニカヤの群生地を意味するアイヌ語由来で1897(明治30)年にでき、北海道炭礦鉄道の駅として誕生した白老駅の92年に次いで古い。登別駅は「登り別」と送り仮名の「り」が振られている。

 同店の前身は駅前にあった村上商店で、1890年代から1960年の初めごろまで存在した和菓子「雁月」(がんづき)と「泡雪」(あわゆき)の製造元として知られる。店内には以前から二つが白老を代表する和菓子であったことを示す1960年製の鉄道地図も展示しており、英明さんは「興味のある人は見に来て」と呼び掛ける。もらい受けた和義さんも「譲ってくれた人の思いに応え、大事にしたい」と話している。

 営業時間は平日午前9時~午後6時、日曜祝日は午前9時半~午後2時半。

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