鉄道ファンら歓喜 プレ運行見学会 苫小牧駅 JR日高線ラッピング車両
東胆振1市4町でつくる「JR北海道の維持困難線区に関する東胆振首長懇談会」(事務局苫小牧市)は12日、JR苫小牧駅で「JR日高線ラッピングH100形プレ運行&お披露目見学会」を開いた。市民や鉄道ファンら約220人が訪れ、日高線苫小牧―鵡川間(30・5キロ)の運行や、室蘭線のラッピング車両との同時公開を楽しんだ。
苫小牧運転所エリアのラッピング車両導入を受け、日高線と室蘭線の利用促進につなげようと企画。午前9時から苫小牧駅ホームで、1市4町の首長らが参加して出発式を行った。苫小牧市長職務代理者の木村淳副市長はあいさつで「日高線と室蘭線の魅力を道内に強く発信するもの」と車両完成を喜び、「今後も沿線自治体やJR北海道、道と連携して鉄道の利用促進を図りたい」と述べた。
胆振・日高地域のアイヌ文化や馬産地、カムイサウルス・ジャポニクス(通称むかわ竜)をデザインした日高線の車両は同9時20分に出発。首長らと抽選で選ばれた一般利用客25人の計35人が乗車し、鵡川駅との区間を約1時間かけて往復。列車を写真に収めようとする「撮り鉄」らでにぎわった。
同10時40分からは日高線と、黒色の石炭車セキ3000をモチーフにした室蘭線の車両が同時公開された。ラッピング車両に乗車した市内明野新町の無職宮越貢さん(80)は「シートが良かった。また機会があれば乗りたい」と喜んだ。市内春日町から家族で訪れた幼稚園児の小林依千乃ちゃん(6)も「鉄道が好きなので、楽しかった」と笑顔を見せていた。
ラッピング車両は「H100形電気式気動車(DECMO)」で、1両約2億8000万円。JR北海道は2022年度と23年度、日高線、室蘭線を含む維持困難線区8線区の沿線にちなんだラッピング車両を計8両導入し、定期運行や観光列車として活用している。室蘭線は苫小牧―長万部、室蘭―東室蘭間の定期運行で使うが、日高線は設備などの面から定期運行は予定していない。
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