五稜郭をバックに記念撮影をする台湾からの旅行客

　中華圏の旧正月「春節」に合わせた大型連休が１０日、始まった。新型コロナウイルスが感染症法上の「５類」に移行してから初めての春節で、今年は１７日までの８日間。函館の観光スポットにも中国や台湾などから旅行客が訪れ、歓迎ムードが広がっている。札幌市では「さっぽろ雪まつり」が開かれていることから、地元の観光事業者は道内を周遊する観光客への入り込みにも期待を寄せている。

　五稜郭タワー（五稜郭町）には台湾や香港などからの観光客の姿が多くみられ、展望台からの眺望や記念撮影を楽しんでいた。台北市から家族５人で訪れた陳彦良さん（４５）は「函館での観光や海鮮、自然に加え、札幌雪まつりを楽しみたい」と笑顔で話した。同社によると、国内客６割に対し、海外客４割ほどだという。

　台湾の航空会社スターラックス航空が今月１日、函館―台北（桃園）線に就航し、同路線が２社体制になったことも函館観光にとって追い風で、観光事業者の期待も大きい。

　ベイエリアのはこだて明治館（豊川町）内に店舗を構える「函館和洋モダン貸衣裳館」（真柄周二代表）では春節開始に備え、レンタルできる着物を２０着増やし、４７０着を用意して海外からの観光客を迎える。中国から訪れた２０代の女性は同店で一番人気の赤い色の着物を選んだ。「初めての経験。とてもおしゃれ」と満足げだった。着付けをしてもらった後は撮影スポットとして人気の函館八幡宮に向かった。

　真柄代表は「写真共有サイトで取り上げられることが増え、口コミを見て予約する人が増加している。円安も相まって客単価も上昇傾向にあり、春節後も期待できるのではないか」と話している。