函館市南茅部地区パワースポット巡るモニターツアー 観光庁の地域観光新発見事業【函館】
函館市南茅部地区のパワースポットや食文化に触れるモニターツアーが現地で開かれ、18人が参加した。参加者はパワースポット「吹上石(ぬけいし)」「垣ノ島遺跡の丘状遺構」を訪れ〝特別感″を満喫した。アンケートでの満足度も高く、体験型観光の普及に向けた先進的な動きとして注目される。
観光庁の地域観光新発見事業の採択を受け、函館ブルーデスティネーション実行委(佐々木馨代表)が主催し、16日に実施。参加者は札幌から1人、函館市内から9人で、スタッフ・ボランティア8人が加わった。ツアーガイドは、自然倶楽部(函館)の鎌鹿隆美さんが務めた。
一行はホテル函館ひろめ荘に集合し、山頂パワースポット吹上石を目指した。吹上石は標高505メートルで、山中に突然飛び出したような大岩が特徴で、地元では「龍のすみ家」として口承伝承されている。途中ビュースポットでの説明などを経て登山に2時間45分を要した。山頂での昼食は「縄文特別弁当」に舌鼓を打った。
下山後は泉質が評判のひろめ荘で入浴を楽しみ、軽食に「縄文ラーメン」を味わった。下山時間は1時間50分。
垣ノ島遺跡では、国大最大級の盛土遺構の中央部にある小さな高まり「丘状遺構」を見学。前市南茅部支所長で、ツアーの企画・調整を担ったノース技研(函館)経営戦略室長の池田敏春さんが「青竜刀形石器や石棒など特殊な遺物が出土していることから、特別な場所と考えられ、この場所に立つと不思議と良いことが起こるかも」などと解説した。
スタッフ・ボランティアを除く10人を対象にしたアンケートは、7割が満足と回答した一方、普通が2割、不満が1割あった。不満の要因として「登山時間が5時間と長く、普段登山をしない人には体力的にハード」「温泉入浴の時間が短かった」などがあった。
事業は、埋もれた地域の観光資源を掘り起こし、多様な観光コンテンツを造成し、地方に誘客を進めるのが狙い。池田さんは「南茅部には磨けば光る立派な素材がある。今回の改善点を反映し、より良い商品づくりにつなげたい」と話している。
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