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日高報知新聞

108年の歴史に幕 4月から新冠小と統合 新冠町立朝日小で閉校式【新冠】

後藤校長とクリス児童会長が同校の校旗を鳴海町長と奥村教育長に返納

【新冠】町立朝日小学校(後藤祐美子校長、児童41人)の閉校式は、9日午前10時から同校体育館で行われ、在校児童や保護者ら約165人が出席し、学校生活の思い出を胸に慣れ親しんだ校舎に別れを告げた。4月から新冠小と統合され、町内全ての児童が同じ校舎で新たな歩みを踏み出す。

 朝日小は、1916年(大正5年)に日新小学校附属去童特別教授場として開校。49年(昭和24年)に現在地に校舎移転改築。54年(同29年)に朝日小学校へ改称した。81年(同56年)新校舎落成、2002年(平成14年)校舎大規模改修。08年(同20年)には、町内の明和、若園、美宇、東川、太陽、朝日の6校が統合され、児童数は91人を数えたが、15年が経過する中で児童数は現在の41人まで減少。20年(令和2年)に教育効果の更なる向上を目指す小中適正配置基本計画策定、翌21年(同3年)から統合に向けた説明会や取り組みが始まり、2年(同4年)に閉校記念事業実行委設立。並行して新冠小児童との交流学習や閉校記念キャンプ、閉校記念公開研究会などの事業が行われてきた。

 国歌・校歌斉唱の後、鳴海修司町長は「緑豊かな木々に囲まれた朝日小の歴史と伝統は、地域の方々の教育への強い思いの下はじまり、現在まで受け継がれ、地域が一体となって特色ある活動が行われてきた。親、子、孫へと何代にもわたり学び通われた家庭も多く、その歴史は単に学校の歴史だけでなく、地域の歴史も築いてきた。朝日小はさまざまな分野で活躍する多くの人材を輩出し、当町の教育にとって多くの役割を担ってきた。皆様にとって、かけがえのない母校、多くの人に愛されてきた学校の歴史を閉じてしまうこととなるが、これまで育まれた歴史や伝統、特色、そして多くの皆様の思いは新冠小へと引き継がれ、新冠らしい魅力あふれる学校づくりが進められるものと確信している。町としても新しい小学校の教育環境の充実を含め当町教育のさらなる振興に全力で取り組んでいく所存。変わらぬ支援と協力をお願いします」と式辞。来賓を代表して行徳義朗日高教育局長、氏家良美新冠町議会議長があいさつを述べた。

 お別れの言葉では、同校児童会のクリス・ローレンス会長(6年)が「朝日小は人数が少ないけど皆明るくて仲が良い。学芸会では、他の学年と協力しながら劇や音楽に取り組んだ。自然や産業について調べ発表する朝日の森集会の調べ学習では、地域の人が先生になり、いろいろなことを教えてくれた。集会では地域の皆さんも参加して盛り上がった。朝日小は地域に支えられてここまで歩んできた。閉校になるのはとても寂しいが、4月から寂しさを乗り越えて新冠小学校、新冠中学校で頑張っていきます」、第33代校長の後藤校長は「朝日小を愛する皆様と過ごせる喜びを感じ充実した日々を過ごすことができた。素晴らしい子どもを育んできたのは地域の皆様、先人の大いなる努力の積み重ねの賜物で、全ての方々に感謝。朝日小の長い歴史の中で最後の児童となる皆さんは、気持ちが素直、最後まであきらめない、思いやりがあり優しく、朝日小はいつも穏やかで優しい空気が流れていた。皆さんと先生の笑顔でいっぱいでした。皆さんから毎日たくさんの元気と希望をもらうことができた。愛情溢れる朝日小が大好きです。4月から、それぞれの学校で皆さんの良さを発揮してくれることを期待しています。学校は閉校となるが、子どもたちを育み愛する心と、大切な家族は何も変わらず、教育の役目を終えたわけではない。これまでよりもこれからが大切。末永く皆さんの心に朝日小が生き続けること、子どもたちが新たな希望をもって前に進むことを祈念します。朝日小、ありがとうございました」と話した。

 最後に、後藤校長とクリス児童会長が同校の校旗を鳴海町長と奥村尚久教育長に返納し、108年の歴史に幕を閉じた。

 閉式後に同会場で開かれた惜別の会(実行委主催)では、思い出のスライドショー上映を皆で懐かしみ、全校児童の器楽と合唱では、平成21年度に同校児童が作詞し、これまで歌い継がれてきた「勇気を出して歩こう」のメロディーを体育館いっぱいに響かせた。

惜別の会で児童たちが合唱を披露

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