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函館新聞

函館市新年度予算案、一般会計1432億9000万円 人口減対策に手厚く【函館】

 函館市の大泉潤市長は7日、2024年度予算案を発表した。一般会計総額は1432億7000万円で、昨年4月の市長選後の政策的経費を盛り込んだ肉付け予算に比べ3・7%減少したものの、当初予算としては過去最大。限られた財源をうまく活用し、市の喫緊の課題である人口減対策に手厚く配分した。22日開会予定の市議会第1回定例会に提出する。

 歳出では、第2子以降の保育料を完全無償化(所得制限なし)に6475万円、小学校入学祝い金の支給(子ども一人あたり10万円)に1億3705万円、公立はこだて未来大授業料・入学金の無償化(広域連合を構成する北斗市、七飯町の在住者を含む)に5721万円を充てた。

 公約で打ち出した看護系大学などの設置に向けた検討会議の開催に150万円、高齢者交通料金助成の拡充(6000円から1万円へ引き上げ)に9259万円を盛り込んだ。

 経済・観光分野は、民間事業者のノウハウを活用したふるさと納税寄付の拡大(24年度目標額30億円)に15億9000万円、スルメイカ不漁に伴う魚種転換への対応として新たな特産品開発促進に4027万円、移住・定住者誘致の推進に3467万円を計上。北海道新幹線の函館駅への乗り入れ調査は、3月に公表する調査結果の説明経費に50万円を組んだ。

 歳入では、住民税の定額減税を受け市税が2・0%減の313億4000万円、地方交付税が5・0%増の345億7500万円を見込む。

 9特別会計と4企業会計を合わせた総額は、2・5%減の2913億2600万円となった。

 市長は記者会見で「急速な人口減への対応に取り組む。何か一つの事業で解決するものではなく、施策を総合的に実施する必要がある。子ども、子育て、教育といった未来への投資に注力することが重要で、若い人に選んでもらえる魅力のあるまち、安心して暮らすことのできるまちに寄与する予算」と強調。財政調整基金から14億6500万円を取り崩すことに関し「定額減税調整給付金や情報システム標準化関係経費など臨時的な財政需要が重なった。これをずっと続けていくわけにはいかない。ふるさと納税の寄付額伸長や宿泊税導入など自主財源の確保に努める」と述べた。

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