料理で触れるアイヌ文化 道がアレンジレシピの教室 チタタプなど4品【函館】
道は1月31日、アイヌ伝統料理のアレンジレシピを実践する教室を北ガスクッキングスクール函館教室(万代町、北海道ガス函館支店内)で開き、市民11人が調理を通じ、アイヌ文化への理解を深めた。
道は「アイヌ文化魅力発信事業」の一環で、伝統料理を基にした誰もが手軽に作れる新レシピを開発。キッチンサポート青(札幌)のフードプロデューサー、青山則靖さんがアイヌ文化に精通する道アイヌ協会会員の意見を基にレシピ4品を監修。メニューを普及する教室は函館のほか、札幌、帯広の計3会場で実施。
この日は骨付きエゾシカ肉のスープ「ポネオハウ」、サケとタラの炊き込みアマム(雑穀のピラフ)、ホタテなどの具材を細かく刻んだチタタプ、クリ、クルミ、ハスカップ、コクワなど山の果実を使ったムーシ(ゼリー)を調理。
青山さんはアイヌの食文化に関し「主食となるのはオハウと呼ばれる具だくさんの汁物で、雑穀(アマム)もよく食べられる」と紹介。チタタプは「われわれが細かく刻む」という意味でホタテのほか、ギョウジャニンニク、長ネギ、コンブなどを切り刻み、本来は生食だが、火を通して味わった。
アレンジレシピにはワラビやセリ、ミツバといった山菜や野草も多用。青山さんは「アイヌ民族は山菜を山からのお裾分けと捉え、全部は採らず、持続可能な採集をしていた」と暮らしぶりに関しても語った。
参加した函館市内の60代会社員男性は「自然の恵みを大切に使う文化だと感じた。エゾシカ肉の汁物などはぜひ家でも作ってみたい」と話していた。
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